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失敗事例に学ぶ! AIチャットボットの社内利用を 検討する際の注意点

現在、社内問い合わせ対応の自動化や社内マニュアル・ナレッジの体系化、その結果としての会社全体の生産性向上などを目的として、AIチャットボットの社内導入を検討している企業が増えています。

一方で、せっかく導入したAIチャットボットが期待していた効果が得られなかった、といったように、導入が失敗に終わるケースも多々見られます。

なぜ、企業はAIチャットボットの社内導入に失敗してしまうのか?実際の失敗事例や陥りがちなパターンを把握することで、AIチャットボットの社内導入を成功に導く一助としてください。

目次[非表示]

  1. 1.初期構築時の失敗事例と失敗の防ぎ方
  2. 2.運用開始後の失敗事例と失敗の防ぎ方
  3. 3.失敗しないための4つの注意点とサービスの選び方


初期構築時の失敗事例と失敗の防ぎ方

ビジネスマンと矢印

AIチャットボットの社内利用の失敗において、その多くの要因は「初期構築時」に潜んでいます。チャットボット導入に充てた多大なリソースが無駄になってしまった、リアルな事例をもとに失敗パターンを紐解いていきましょう。

社内利用チャットボットの導入事例は、下記記事も合わせてご確認ください。



初期構築時の失敗事例①:FAQやシナリオ設計など…準備が大変過ぎて進まない

まずは、せっかくAIチャットボットを構築したものの、なかなかプロジェクトが進まない事例です。

この失敗の原因は、初期構築の作業内容や工数を事前にしっかりと把握しなかったことです。チャットボットを導入する際は必ず準備が必要になりますが、サービスの設計や性能によって、その作業内容は大きく異なります。実際の作業内容をしっかりと確認せずに、構築に割ける時間や人員が足りなくなり、プロジェクトの開始直後から進行に遅れが生じてしまいました。

その結果、プロジェクトに関わるメンバーからも不満の声があがり、当初予定していた社内公開までのスケジュールが2ヶ月だったのに対して、実に3倍の6ヶ月の期間を要してしまいました。


失敗を防ぐには?

チャットボットの専任担当者を設置できる会社はほとんどありませんので、他の業務を進めながら準備ができるのか?作業の難易度や量、手順をしっかりと確認する必要があります。特に意外と見落としがちな準備が「どのような回答を用意すべきか」という領域の選定など、業務の棚卸しを含めた作業です。その上で、回答内容の準備、想定される質問パターン、シナリオの設計などの準備が必要になるサービスも多いので、事前にしっかりと初期構築時の作業内容を確認しましょう。


初期構築時の失敗事例②:全社リリースしたが、回答精度が低く社員から苦情が…

続いては、全社リリースしたものの、ユーザーである社員から不満の声が上がった事例です。

この失敗の原因は、プロジェクト開始から全社リリースまでの工程にありました。通常のプロジェクトでは、一定の精度が担保できた状態で特定の部門のみに公開する「テスト公開」の工程を挟みます。特に大手企業の場合は、最終的なユーザー数が多いため、導入部門の本部内などで限定公開し、最終チューニング後に全社リリースするケースが多いです。

ところが、この事例はプロジェクト開始から社内公開までの期間を急ぎすぎたため、最終的な回答精度のテストを怠ってしまいました。その結果、回答精度が充分に上がらずにリリースを迎えたのですが、当然ユーザーである社員からは不満の声があがります。


失敗を防ぐには?

AIチャットボットの社内利用は初回のユーザー体験が重要です。初めてチャットボットに質問した際に、一定の回答精度を感じてもらえれば活用を継続しますが、最初で「チャットボットは使えない」と大きく期待を裏切ってしまうと再度使ってもらうことが難しいこともあります。

回答精度はAIチャットボットで最も大事な要素です。テストをしっかり行うのと同時に、そもそも回答精度を上げるための設定方法や難易度なども、サービス選定時に確認しておきましょう。



運用開始後の失敗事例と失敗の防ぎ方

ビジネスマンと崖

初期構築を乗り切り、無事にAIチャットボットをリリース。いよいよ本格的に全社で運用・・・というタイミングにも注意すべきポイントがあります。続いて運用フェーズでの具体的な失敗事例を見ていきましょう。


運用開始後の失敗事例①:まさにメンテナンス地獄・・・下がり続ける回答精度と利用率…

ようやく公開に漕ぎ着けたAIチャットボット、しかし3ヶ月、6ヶ月と経つ内に、利用率がみるみる低下、1年が経つ頃には誰も使わない状態に・・・。


これは失敗のパターンとして、もっとも多い事例といって過言ではありません。


主な原因はメンテナンスの手間です。リリース後、事前に想定していなかった質問が来ることがありますが、回答の追加を繰り返していく内に、似たような回答が増えてくる、シナリオの分岐が複雑になってくる、それら全体を整えることが難しくなってくるなど、日に日にメンテナンスが大変になっていきます。いつしか、メンテナンスの頻度も下がり、結果的にはチャットボットの回答精度が下がり誰も使わなくなるという悪循環に陥ってしまいます。

業務効率化のために導入したチャットボットのメンテナンスが、いつの間にか業務を圧迫するという、何とも本末転倒な状況なのですが、実際はこのようなケースが多発しています。


失敗を防ぐには?

まずリリース直後は、ユーザーからの質問内容をチェックします。そもそも事前に想定していなかった質問も来ますので、どのような回答を追加すればユーザーのメリットがあるのか、利用状況に合わせて回答を追加することで満足度を上げることができます。回答内容の拡充などを行った場合は、セットでその更新情報を社員に発信することも大切です。

必要な回答の追加や編集など、運用のサイクルをスムーズに回すことができるか、事前に確認をしておきましょう。

そしてキャラクター設定や口調など、ユーザーである社員が少しでも「楽しんで」使ってもらえる工夫も必要です。擬人化できる部分こそが、これまでの検索システムなどと違ったユーザー感覚に繋がりますが、その違いを最大限に引き出すのはキャラクター設定です。新しいシステムを導入したのではなく、新しい仲間が入社した。くらいの感覚で社員が積極的に使ってくれるように社内プロモーションも工夫しましょう。



運用開始後の失敗事例②:投資対効果を見える化できない

さて、無事に回答精度も利用数も安定してきたところで、最後にやってくるのが投資対効果の算出です。

会社が予算を執行して導入したサービスは、AIチャットボットに限らずに効果の見える化は社内で求められます。もちろん、これまでの電話やメールの問い合わせ数の削減など、定量的に計測しやすい効果もありますが、これに加えて件数だけではなく1件あたりの対応時間や、業務時間外、早朝深夜の対応件数など、多角的に数値化することが大切です。


そして、AIチャットボットの導入効果は業務効率化だけではなく、聞きづらいことが聞きやすくなるなど、会社全体で働きやすい環境を整えるという数値化しづらい重要な効果もあります。これらをきちんと見える化できていないと経営層から継続ストップがかかるなど、現場の担当者様が苦労される姿を頻繁に見かけます。


失敗を防ぐには?

まずは、質問数や正答率など、全体の利用状況を元に削減できた対応(チャットボットがなければ人で対応していた対応)を数値化します。それ以外にも、これまで対応できていなかった、業務時間外や、早朝深夜などの問い合わせ対応数も会社全体の生産性向上に貢献できていると言えるでしょう。これらに加えて従業員へのアンケートの実施など、見えづらい定性面も含めて考える必要があります。

AIチャットボットの社内利用の導入効果については、こちらの資料でもご紹介をしています。

 

失敗しないための4つの注意点とサービスの選び方

ここまで複数の失敗事例を見てきましたが、ではなぜ、AIチャットボットの社内導入において上記のような失敗をしてしまうのか?原因を踏まえて、導入を検討する際に考えるべきポイントを整理してみましょう。


失敗しないための4つの注意点

  1. 回答精度を保つことはできそうか
  2. 日々のメンテナンス作業の内容は理解できているか
  3. ユーザーに浸透するイメージが持てるか
  4. プロジェクトの体制をどうするか

「AIチャットボット」というサービスの特性上、AIの性能などの①には目が行きがちですが、残りの3つも同じように大事な要素です。


AIチャットボットは公開して終わりではなく、社員の声に合わせてメンテナンスが必要になりますし、そもそもユーザーが活用してくれなければ導入効果は出ません。そしてプロジェクトの中心となる運用担当者がこのような目線を持っているかも大切ですし、社内への浸透や認知を進めていく上では、他の担当者と協力が必要になることもあるでしょう。


失敗しないサービスの選び方

チャットボットを活用した社内の効率化で失敗しないためには、あらゆる問い合わせを自動化することをゴールにするのではなく、定型的な問い合わせをいかに効率的に自動化するか、というゴールを設定することです。この点を踏まえて、最後に、チャットボットの社内活用におけるサービス選定のポイントを2つご紹介します。


【1】導入前は必ず運用部門で「トライアル」を行う

大前提として、実際に継続的な運用ができそうかを確認するために、トライアルを実施した方がよいです。上記の通り、初期の構築はなんとか乗り越えたとしても、その後は継続的なメンテナンスが必要になりますので、実際の画面や操作を通じて作業内容を確認しておくことが、後の失敗を防ぐことに直結します。

大事なポイントは全社を巻き込んだトライアルではなく、運用部門内でのトライアルを実施することです。

見落としがちな要素なのですが、チャットボットは初回のユーザー体験が大切ですので、軽々に全社に公開して、チャットボットの回答精度が低かったり、回答できる領域が狭かったりすると、ユーザーの印象が悪くなってしまい、その後の本導入の際になかなか利用してくれないなど、マイナスからのスタートになってしまう可能性があります。

まずは運用部門でトライアルを実施し、継続的なメンテナンスができそうか、またユーザー側で利用する画面の確認なども合わせて行い、自社で浸透するイメージが持てるか、実際のサービスに触れて確認することをオススメします。



【2】導入後のプロジェクト支援体制を確認する

AIチャットボットの導入プロジェクトを成功させるためには、初期構築、継続的な運用、社内の利用率向上、効果測定など、様々な要素なポイントがあります。これらを他の業務も担当しながら、自社の担当者だけで乗り切ることは難易度が高いので、サービス提供者のプロジェクト支援体制やサポート内容が重要になります。

現在チャットボットは、様々なビジネスシーンで活用が進んでおりますが、ECサイトのWeb接客やコールセンターの一次受け、そして社内の従業員からの問い合わせ対応など、活用シーンが変われば求められる成果や機能、そしてサポート内容も変わります。

社内利用におけるプロジェクト支援の実績やノウハウなどがあるか、自社の担当者がなるべく負担をかけずにプロジェクトを進められる支援体制があるか、サービス選定時にしっかり確認しましょう。



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