チャットボットでコミュニケーションの質が向上!
現場の声を吸い上げ、業務負担の軽減にも貢献

株式会社グロップ 様

株式会社グロップ(以下、グロップ)は、全国展開している人材派遣・人材紹介会社。取り扱っている派遣業種は、事務・コールセンターなどの事務系業務から、ラインソーシングをはじめとする製造業務など多岐にわたります。

本社部門の総務部・経理部、派遣事業部のヒューマンソリューション事業本部にて、全部で4つのチャットボットをご活用いただいています。

今回は、全体管理と総務部の運用担当の宮本様、須東様、派遣事業部ご担当者の戸田様にお話を伺いました。

※所属部署や役職は、2023年6月時点の情報です。※一部、他の部署の方のご意見を掲載しています。

一問一答型・楽なメンテナンス・充実のサポートが決め手

―AIチャットボット導入の検討に至った背景について教えてください。

須東様:当初総務部門では、簡単な内容の問い合わせが多くあり、電話対応に時間を取られていました。
そのため、本来するべき仕事がなかなか進まない、という課題があったのですが、チャットボットを導入したら確実に問合せを減らせるという確信を持っていました。

ちょうど同じ頃に、派遣事業部でも「チャットボットがあったら便利だろうね」という意見が出ていたようで、
それなら、本社部門と派遣事業部で一緒に検討を始めようということになりました。

須東 氏
総務部 業務支援課
須東 氏

―数多くあるチャットボットのなかで、 HiTTOに決めてくださった理由は何だったのでしょうか?

須東様:検討段階で複数の会社を見てトライアルもしましたが、最終的に、階層式(※1)の他社と、一問一答型(※2)のHiTTOに絞りました。

※1…シナリオ型チャットボットのこと。あらかじめ想定されるシナリオを準備しておき、ユーザーに対していくつか選択肢を提示し、知りたいことを選択してもらう形式
※2…「一問一答型チャットボット」は回答の処理方法。聞きたいことに対して、瞬時に回答が表示される形式

階層式の場合、質問に対して該当の答えが登録されていない時でも、ユーザー本人の聞き方がよくないのか、そもそも回答が用意されていないのか、わからないという課題があります。

それに対して一問一答型であれば、質問に対応する回答がない場合、ノーアンサー(※)みなされ、回答が登録されていないことを伝えることができ、何を知りたかったのか、ユーザーからフィードバックを送ってもらうことができます。

※質問に対応する回答がまだ用意されていない場合、お詫びの文言とともに問い合わせの連絡先などを表示させることができる機能。各社ごとにカスタマイズが可能。

また、管理(メンテナンス)が簡単そうな点、サポートが充実している点、フィードバックコメント機能(※)がある点も魅力的でした。

※ユーザーが求めている回答が得られなかったときに、BADの評価とともに、何が聞きたかったのかコメントできる機能。これがあることでユーザーのニーズを反映しやすくなる。
―導入当初の話を教えてください。

導入当初は、ユーザーが各チャットボットの役割分担を理解するのが難しいこともあり、担当領域外の質問がたくさん来てしまうことがありました。そのため、チャットボットごとの担当部門をより分かりやすくして、“総務のことは「フクタロウ」、経理のことは「クラリー」、派遣事業の法律・コンプライアンス関連のことは「ひつ次長」、派遣事業のシステム関連のことは「ベイ部長」に聞いてね”と、改めて各チャットボットの役割を認知してもらうためのプロモーションを行いました。

具体的には、カスタマーサクセス(チャットボットの導入・定着を支援するHiTTOのサポートチーム)の方の後押しもあって、プロモーション動画を社内で制作し、各部門の部会で流してもらう働きかけを行いました。また、マニュアルと動画のリンクを記載したメールを社内全体発信したり、社内報にチャットボットがリリースされる旨をお知らせしたりしました。

チャットボットへの導線を目に留まるところに設ける工夫として、Windowsのスタートボタンの中に導線を設定し、社内支給のスマートフォンのデフォルトアプリにチャットボットを入れたりしました。このように工夫したことで、より多くの従業員に利用していただけるようになったと感じています。

従業員の質問レベルが向上― 前提説明の手間が省けた

―実際にご導入いただいて、効果はありましたか?

給与担当者:私が担当している部門に関しては、問い合わせの数は確実に減りました。それに加え、これまでに比べて質問のレベルが上がったと感じています。今までは基本的なことも含め説明しなければならないことが多かったですが、従業員がチャットボットに聞いて予備知識を得てから質問をしてくれるので、前提となる説明をせずに済んでいます。

労災担当者:1件あたりにかかる電話対応の工数が減りました。電話で問い合わせがあった際、一通り説明した後に「チャットボットでも教えてくれるので、もしまたわからなかったらチャットボットに聞いてくださいね」と案内しておくと、2回目以降の問い合わせがなくなります。これまでは、「これやっぱりわからないんだけど…」と、一つの質問に対し、二度三度と電話対応しなければならないこともありました。

派遣事業担当者:今まではとりあえず知っていそうな人に聞くケースが多かったため、誤った情報が拡散してしまうこともありましたが、チャットボットを導入したことで、気軽に正しい情報を確認できる環境を作れたのは良かったと感じています。

宮本 氏
総務部 業務支援課

特に、ターゲットとしている新人が多く利用してくれているようです。「先輩に何度も同じことを聞きにくい」「先輩が離席しているから聞きたくても聞けない」といったこれまでの課題も、解消できています。

宮本様:新卒入社・中途入社の新人に対する教育ツールとしても有効活用できていますよね。

自分が電話などで問い合わせを受けて、担当外のため明確な答えを持っていないときに、チャットボットに聞くことも。
管理部門内でも、「辞書」代わりに使っていますね(笑)。

最新の正しい回答を得られるツールとして現場でも活用

▲派遣事業 ヒューマンソリューション事業本部のルームにて、挨拶をする「ひつ次長」

▲派遣事業の法律・コンプライアンス関連担当チャットボット「ひつ次長」

戸田様:派遣事業に関しては、法律に関わる部分が多く、法改正が数か月~年単位で発生します。現場の社員も最新の情報をインプットはしていますが、どうしても判断に迷う部分が出てしまい、判断できる人に負担がかかってしまうという課題がありました。

チャットボットに情報を集約することで、法的な部分に対して、間違いのない回答を得られる、という点がとてもよかったです。

チャットボットでは常に最新の回答を登録して、定期的にメンテナンスしているので、チャットボットに聞けば、法律の解釈が標準化されて、常に最新の正確な回答が得られるという点で安心できるようになりました。

また、新入社員が法律について勉強する自己学習ツールとしても利用しており、先輩社員が教える時間がないときに有効活用できています。ベテラン社員も法改正のタイミングで、最新の情報を得るために使っているようです。

-問い合わせ削減以外の効果はありましたか?

須東様:チャットボットだから質問がしやすいという環境もあってか、運用担当の立場からすると、これまでには見えなかった潜在的なニーズが把握しやすくなりました。

戸田様:従業員の隠れたニーズや、知識レベルの差を知ることで、従来のマニュアルで不足していた情報を補ったり、勉強会を開催したりするなど、業務改善のきっかけが得やすくなりました。

ユーザー(従業員)側に関しては、自分が聞いたこと以上の内容が選択肢として出てくることもあるので、ついでにそれをクリックして回答を得ることで、知識レベルの向上に繋がっていると感じます。

―普段どのようにメンテナンスされていますか?

須東様:フクタロウに関しては、一日に一回は質問内容を確認し、回答と質問の紐づけ作業を行っていますが、すぐに判断して紐づけができない担当外の回答が一定数残ります。

なので、ある程度たまったタイミングで、拡充したほうがよさそうな回答や、修正が必要そうな回答を洗い出し、他部署に確認しながら回答の作成や修正をしています。
頻度としては2か月に一回程度なので、そこまで負担ではないです。

週80件以上利用してもらうことを目標にしているので、一日あたりの利用数も必ずチェックするようにしていますね。

▲本社部門  総務部のルームにて挨拶をする「フクタロウ」

▲総務担当チャットボット「フクタロウ」

現場の業務負担の軽減に貢献できていることが嬉しい

―チャットボットを運用していてやりがいを感じることはありますか?

須東様:年末調整や健康診断の時期など、問い合わせが殺到しそうな時期を見越して、回答を追加・メンテナンスしておくと、やはり多くの人が実際に使ってくれるのでうれしいです。

年末調整の対応に関して担当者に実際聞いたところ、「去年に比べて、圧倒的に電話の問い合わせ対応が少なかった」といわれたので、担当者の業務負担軽減に貢献できたことを実感しています。

休日にも出勤している社員から定期的に質問が来ているので、その場で疑問を解消する助けになっていると感じますね。

プロモーション施策をHiTTOが一緒に検討
 ―運用担当のやる気を高めてくれた

―運用とメンテナンスを進めていただくなかで、HiTTOのカスタマーサクセスのサポートはいかがでしたか?

須東様:導入当初、社内のプロモーションが何よりも大事なので、みんなで盛り上げましょう!という働きかけと、雰囲気づくりをしてくれたことがとても印象的でした。チャットボット定着に向けてやっておくとよいことをスタンプラリー形式にしてくれて、運用担当者のモチベーションにもつながりました。

取り組みやすい順番に施策をいくつか提案してくれました。また、「動画を作ってみるのはどうだろう」と意見が出た時も「素敵なアイディアですね!是非やってみましょう!」と背中を押してくれました。
今までの私たちの社内の文化を考えると、あのときのカスタマーサクセスの方の働きかけが無かったら、多分動画も作っていなかったと思います(笑)。一方的に提案されるのではなく、一緒に考えていく雰囲気がとてもよかったですね。

宮本様:今は、3か月ごとに定例ミーティングをしていて、その中で新機能の活用提案をしていただいており、HiTTOをさらに活用していくことについても意識を持てています。

各チャットボットごとに運用スタイルが違うため、社内で回答精度向上などの改善活動をするのは難しかったのですが、今はカスタマーサクセスの方が個別に回答精度向上のための勉強会も開催してくれるので、頼りにさせていただいています。

-社内でのプロモーション施策について、今はどんなことをされているのでしょうか?

須東様:毎月テーマを決めて、社内報にお知らせを掲載しています。1月なら新年の挨拶、4月なら新入社員への自己紹介、といった形です。

新入社員受け入れ時期直前の3月には、予め先輩社員にチャットボットを新入社員の教育ツールとして利用できることを告知することで、今までチャットボットを利用していなかった従業員の利用促進に繋がりました。

▲グロップ様社内で社内報に掲載したお知らせ

毎月バリエーションを変えて作ってはいますが、社員が見慣れてきてしまうと目に留めてくれなくなるので、目新しい内容にしたり発信方法を変えたりするなど、何かしら工夫をしていきたいと考えています。

また、他社様のプロモーション施策の事例を共有してもらうことができたら、積極的に自社でも取り入れたいですね。

ー今後定着に向けてどんなことをしていきたいと考えていらっしゃいますか?

戸田様:回答精度をより上げるために、BADの評価をもらったものを中心に今後も回答をしっかりと増やしていくことが目標と捉えています。

また、基本的な質問は、人ではなくチャットボットに聞く、という文化をよりしっかり根付かせていきたいですね。そのうえで人しか答えられないものは人が答える、という文化にしたいです。

須東様:少しずつでもチャットボットを常に成長させ続けることがユーザーの定着のために重要だと思っています。

いま会社規模がどんどん大きくなっているので、今後さらにグループ全社の従業員が増えても、管理部門の人員はできるだけ増やさずに、対応できる状態を目指したいと思っています。そのためにはチャットボットの活用が不可欠ですので、今後も利活用推進に努め、管理部門から従業員に提供するサービスの質を、もっと上げていきたいです。

AIチャットボットはコミュニケーションの質を上げる

ー最後に、導入を検討している企業様に向けてメッセージをお願いします。

宮本様:チャットボットを導入することで、社内のコミュニケーションが希薄になることを懸念する方もいらっしゃるかもしれませんが、むしろ組織を横断する形で社内勉強会開催の働きかけをしたり、情報交換をしたりするなど、社内コミュニケーションの質は上がったと感じています。

須東様:私たちの部署のミッションは、従業員がより働きやすい環境をつくることです。チャットボットは現場の声を吸い上げるツールの一つとして、とても有効だと思います。

たとえば事前にチャットボットに聞いて、5割理解したうえで問い合わせてもらえると、残りの部分をかみ砕いて説明してあげられます。そういった意味で、「チャットボットがあるのとないのとでは、コミュニケーションのレベルが違うよということをお伝えしたいです。

ーグロップ様社内でのさらなる活用・プロモーション施策に向けて今後も全力でサポートさせていただきます!この度は貴重なお話をありがとうございました。

株式会社グロップ

株式会社グロップ 様

設立
1975年10月13日
事業内容
人材派遣・各種アウトソーシング
従業員数
1,150名(2023年6月時点)

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