人事部のAIチャットボット「ちゃぼさん」が社員の心強い仲間に成長
ちゃぼさんが届ける社員の声を元に、人事ナレッジの体系化を実現

三菱UFJリース株式会社 様

三菱UFJリース株式会社(以下、三菱UFJリース)は、コア事業であるリース・ファイナンスを通じて「モノ」に関する知見・ノウハウを蓄積し、強みを活かしてさまざまな事業へと取り組みの幅を拡大している。具体的には、リース・ファイナンスを中心に、環境・エネルギー、ヘルスケア、不動産、航空、ロジスティクス、インフラ・企業投資、などを中心に多岐に亘るビジネスを手掛けており、「金融と事業の融合」による同社ならではのアプローチによって、お客様にとって頼りがいのある事業パートナーを目指している。

そんな三菱UFJリースが採用したAIチャットボットが「hitTO」だ。現在、人事部と情報システム部、営業統括部の3部署ではhitTOで作成したAIチャットボットを社内に展開している。なぜ「hitTO」を導入し、どのように活用しているのか。また導入したことによる効果とは。情報システム部 デジタル技術活用グループ 課長代理 井出 和彦氏、人事部 人事企画グループ 部長代理 西田 麻衣氏、人事部 人事企画グループ 課長代理 和知 泰洋氏、人事部 人事企画グループ 業務課長 野口 朋子氏、人事部 委託常駐員 太巻 剛氏にお話を伺った。

hitTOを採用した理由

使いやすさとサポート体制を評価し、hitTOを採用

2018年、全社をあげてのデジタル化の動きの中で、AI技術の活用がテーマに掲げられていた。そこで各部にヒアリングをしながら業務を洗い出したところ、社内の問い合わせ対応にかかる時間を削減したいというニーズが目にとまり、AI活用できるのではないかと考えたのが始まりだ。

情報システム部 井出氏

情報システム部 デジタル技術活用グループ 課長代理
井出 和彦氏

「AI活用と言っても多岐に渡りますが、“チャットボット”なら当時、既にサービス化されており、利用開始までの初期構築の工数が少なく導入できること、さらに社内で並行して動いていた「働きやすい職場づくり」プロジェクトとも業務効率化という観点から親和性が高く、情報システム部と日常的に問い合わせを受けることが多い人事部が協働でAIチャットボットの導入検討を進めました。

比較検討する中で、hitTOを含む最終候補の2製品を実際に導入し、全社員を対象にどちらのサービスを利用したいかアンケートを展開した結果、「hitTOがいい」という声が多かったです。画面の見やすさや操作性も優れていると社員からの評価が高く、サポート体制も安心だったので2019年の1月から「hitTO」を本格導入しました。」(情報システム部 井出氏(以下、井出氏))

活用方法・導入効果 ①

勤怠、給与、保険など、人事ナレッジをAIチャットボット「ちゃぼさん」に

人事部のAIチャットボットはその名も「ちゃぼさん」
ちゃぼさんは現在、勤怠、出張、証明書、健康診断、社会保険、社宅、給与、貸金、財形など、幅広い人事領域を回答できるほどに成長している。

人事部は、年間を通じて社内からの問い合わせが多いのが現状だ。よくある定型的な質問をちゃぼさんで対応してもらうことで人事部内の問い合わせ対応にかかる時間削減だけでなく、いつでも問い合わせを受け付けられるので、問い合わせをする社員にとっても利便性が高いと人事部 西田氏(以下、西田氏)は話す。

西田氏

人事部 人事企画グループ 部長代理
西田 麻衣氏

月末月初に集中する勤怠に関する問い合わせや、時期に偏りがなく定常的に発生する出張や各種申請に関する問い合わせ、異動時に増加する社宅に関する問い合わせなど、人事部の年間スケジュールに則って、ちゃぼさんが答えられる内容は日々、拡大している。ちゃぼさんに寄せられる毎月の質問数は400~500件にのぼるなど、社内での「ちゃぼさん」の認知度は高い。

さらに、11月~12月にかけて爆発的に発生する「年末調整」の問い合わせにも対応できるので、人事部内でもちゃぼさんの働きぶりは一目置かれている。

「年末調整など全社員に関連する業務があると、人事部には一斉に問い合わせが来ます。今年は、申請するシステムを変更したこともあり、1週間で2000件以上の問い合わせを「ちゃぼさん」が1人で対応してくれました。これほどの件数はさすがに人力では対応できないため、チームにちゃぼさんがいてくれなかったら、臨時で専用の体制を組まないと対応できなかったと思います。」(西田氏)

ちゃぼさんが届ける “社員の声” が、人事部内のPDCAサイクルの起点に

さらに今回、年末調整の問い合わせの多くを「ちゃぼさん」が対応してくれたことにより、新たな気づきがあると人事部 野口氏(以下、野口氏)は話す。

野口氏

人事部 人事企画グループ 業務課長
野口 朋子氏

「年末調整に関する細かい踏み込んだ質問ではなく「そもそも年末調整とは?」という基本的な質問をする社員が意外と多くいたことは正直、驚きました。
年末調整という言葉自体も一般的なので、人事部としては社員が理解している、と思っていたので。意外と基本的な情報だったり、目的などを社員に伝えられていないのかも?と考えるきっかけにもなりました。」(野口氏)

さらに、この現象は年末調整に限ったことではない。
日々、「ちゃぼさん」に寄せられる社員からの声は、今まで電話やメールで人事部に直接問い合わせがあった内容と必ずしも一致しないと話す。

給与、賞与、手当などに関する質問もちゃぼさんに多く寄せられました。おそらく、そういった少しセンシティブな内容は、なかなか人事部に直接は聞きづらい内容だと思うので、うまくちゃぼさんがクッションとなって吸収してくれています。」(野口氏)

ちゃぼさんへの質問履歴を確認すると社員のニーズが見えてきて、それをきっかけに「この質問にはどう答えるのがベストなのか?」「なんでこんな質問が来るのだろう?」など、以前よりも「質問の背景」を人事部全体として意識するようになった。

三菱UFJリース様QA画面三菱UFJリース様QA画面

また、ちゃぼさんは正しい回答をしているのに、なんでこの人はBadを押したのだろう?とそこに立ち止まって考えてみると、この一文を付け加えた方がもっとわかりやすいのではないか?という気づきが生まれ、部内でも意見交換が活発になり、人事部としての「従業員目線の強化」にも繋がっている。
人事部内の定例会議でも、ちゃぼさんに次にどんな事を学習させるのか?回答内容をどんな風に改善しようか?など、みんなで話し合う光景も日常的となった。

「通常、新しいツールを導入する際は苦労を感じることが多いですが、hitTOはそれがまったくありませんでした。もちろん、QAデータを追加していくという作業など地道なこともありますが、ちゃぼさんが成長しているという実感に加え、それを乗り越えた先には人事部にも社員にも多くのメリットがあるとわかったので、本当に楽しみながらちゃぼさんを育成できていますね。」(西田氏)

ちゃぼさんという同僚が新たにチームに加わったことで、人事部が社員に届ける情報そのものやその伝え方のPDCAサイクルがまわるようになり、業務品質の向上に繋がっている。

人事部内の属人化の解消にもちゃぼさんが貢献、回答速度も改善!

また、ちゃぼさんの存在は、人事部と社員との橋渡し役になっているだけでなく、人事部内でも大きな存在感を放っている。

人事部は担当者毎に担当する領域がそれぞれ分かれているため、担当者が会議で席を外していたり、お昼の休憩中だったりすると回答ができずに「戻り次第の回答」になってしまい、社員を待たせることもしばしばあったという。しかし、ちゃぼさんは、勤怠も出張も、財形も・・・幅広く1人でいろんな事を学んでくれているので、担当者がいない時に電話で問い合わせがあった時でもちゃぼさんに聞けば回答ができるようになりました。と、ちゃぼさんの成長を実感して笑顔で話してくれる西田氏。

「個人の記憶やメモなどにいたっては共有が出来ていないこともあるため、情報が属人的になっていた問題も、今は「ちゃぼさん」に情報が集約されたことで、メンバー間での情報共有やメンテナンスもしやすくなりました。」(人事部 和知氏(以下、和知氏))

ジェナの支援体制について

CSが ”楽しむ秘訣“を伝授!
「自分たちでちゃんと作って定着させたい」と思う原動力に

人事部の皆さんにたっぷりと愛情を注いで可愛がってもらっている「ちゃぼさん」。
その誕生の裏には、ジェナのカスタマーサクセスチーム(以下、CS)からの提案があったと人事部の皆さんは話す。

三菱UFJリース様 人事部AIチャットボットキャラクター「ちゃぼさん」 三菱UFJリース様 人事部AIチャットボット キャラクター
「ちゃぼさん」

「CSの東田さんが、チャットボットの運用の楽しさを教えてくれました。正直、QAデータの作成など地道な作業も多いですが、ちゃぼさんの育成は楽しいです。(笑)」(西田氏)

“チャットボットには名前をつけるべき!しかも、適当にではなく、みんなで決める事で愛着が生まれ、日々の成長が楽しくなるから”と。hitTOのオリジナルキャラクターの中から、人事部内での投票で、この子を迎え入れることを決めました。名前も色々と悩みましたが、部内でふとあがった「ちゃぼさん」という名前に、一同みな同意し即決でした。」(野口氏)

三菱UFリース様 社内広報誌三菱UFJリース様 社内広報誌

「人事部のAIチャットボットが社内にリリースされた日は、ちゃぼさんの誕生日。だから、毎月20日をちゃぼさんの日にしようと提案をもらいました。ちゃぼさんが日々、賢くなっている事を社員のみんなに届けよう!と、プロモーションのフォーマットまで用意してくれました。そのデザインをもとに、社内ポータルに新着情報として掲載したり、社内広報誌にもちゃぼさんを載せました。」(野口氏)

ちゃぼさんという存在が社内に浸透するにつれて、『ちゃぼさんファン』がいることに気づいたという。
人事部に関する質問だけではなく、ちゃぼさんに関する個人的な質問も増えている。年齢や名前の由来、座右の銘など、野口氏が細かく設定したちゃぼさんのプロフィール情報が、さらにキャラクターを引き立てている。ちなみに、座右の銘は鳥のキャラクターだけに「一石二鳥」。ウィットに富んだ回答内容が、社員に本当の仲間のような親しみを与えることにも一役買っているようだ。

定期的に「ちゃぼさん」の更新情報を社内に配信し、認知向上を目指している定期的に「ちゃぼさん」の更新情報を社内に配信

雑談など一見、無駄なように思えるが、これこそが社内定着を進める上での大きなポイントだ。現場の社員は毎日必ず人事部への質問がある訳ではないからこそ、本当に何か困った時に電話ではなく「あ、そうだ!ちゃぼさんに聞いてみよう!」と問い合わせ手段の1つ目として思い浮かんでもらうためには、いかに「ちゃぼさん」と社員との距離を日頃から縮めることができるかが重要だ。ちゃぼさんとの何気ない会話の積み重ねが社内定着に繋がる。

「毎日のように「どんな質問が来ているかな」と履歴を見ながら回答を考えるようになるなど、人事部内に一体感も生まれました。社内からも「ちゃぼさん使っているよ」「ちゃぼさんにこんな問い合わせしてみました。」「ちゃぼさんが、直接リンク先を案内してくれるから助かる。」など、愛着を持って活用してくれている声をよく耳にするようになり、導入した私たちとしてもとても嬉しくなりました。」(野口氏)

ジェナさんには、楽しむ秘訣やプロモーションの大切さだけでなく、AIチャットボットの運用のイロハを丁寧に教えてもらったことも、今の運用を支えていると和知氏は話す。

人事部 人事企画グループ 課長代理 和知 泰洋氏

人事部 人事企画グループ 課長代理
和知 泰洋氏

「AIチャットボットの運用は初めてだったので、最初は不安もありました。でも、東田さんが私たちの作ったQAデータを1件1件細かくチェックしてくれた後にどういうデータになっていると回答精度が上がるのか、AIの癖みたいなものを具体的なデータに基づいて説明してくれたので、QAデータの作成に手間取ることなくすんなりとAIチャットボットの運用に入っていくことができました。今では、自分たちで回答を追加したりしていますが、回答精度も低下することなく運用できています。

東田さんが「いつまでにこれをしましょう!」とゴール設定をして、細かく期限を設けながら僕らに宿題を用意してくれたことも「自分たちでちゃんと作って定着させたい」と意識することに繋がりました。知らず知らずのうちに、あ、完了していた!みたいな感じで、東田さんには上手にプロジェクトを引っ張ってもらっています。なんでここまでしてくれるんですか?と聞いたことがあるくらい、私たちの中に入り込んで提案してくれるので、もう逃げられないですね!(笑)」(和知氏)

導入効果②

ちゃぼさんの誕生が、人事部を取り巻くツールや導線整備のきっかけに

人事部 委託常駐員 太巻 剛氏

人事部 委託常駐員
太巻 剛氏

ちゃぼさんの話題には笑顔が絶えないが、導入効果を最大化するために、人事部では様々な工夫をしている。

例えば、ちゃぼさんの誕生を機に、それまで社内のポータルサイトに掲載していたFAQをやめ、ちゃぼさんに問い合わせ対応を集中させるようにした。更に、細かい手続きに関する質問は、「詳しいことはこちらを見てね!」と各種手続きマニュアルにちゃぼさんが案内をしてくれる。つまり、人事部に関する問い合わせの一次対応はちゃぼさんに集約・一本化したというわけだ。

さらに、社員が電話で問い合わせる際の導線にも工夫がある。社員が電話で問い合わせをする際には内線番号表を確認して電話するので、そこに人事部の内線番号だけではなく、ちゃぼさんの画像も掲載した。
hitTOの導入が人事部を取り巻く周辺のツールや導線を見直すきっかけになり、全体の業務改善にも繋がっている。

今後の展望

Microsoft Teamsとも連携して、より社内に「ちゃぼさん」を浸透させていきたい

1年間で3つのチャットボットへの問い合わせ件数が、1万件を超えました。その回答率は約7割なので、約7000件の問い合わせからヘルプデスクや人事部が解放されたということになり、それだけでも価値があると感じています。」(井出氏)

情報システム部門でも、ちゃぼさん同様に「AIsys」というAIチャットボットが存在する。

「「hitTO」を導入した翌月、ちょうど全社のパソコンを入れ替える作業があったため、早速、初期設定やプリンタの接続方法など、基本的なQAをチャットボットに学習させてみました。もちろん電話での問い合わせもたくさんありましたが、パソコンが入れ替わった時期からの「hitTO」への問い合わせ履歴を見たところ、1ヶ月の間に1000件もの問い合わせに対応してくれていたことがわかりました。これは想像以上でしたので驚きました。」(井出氏)

今後は、人事部、情報システム部、営業統括部が共同して、社内に向けてAIチャットボットの満足度調査を実施していく予定だ。「ちゃぼさん」や「AIsys」、そして営業統括部AIチャットボット「エイトくん」など各部署に配属されているAIチャットボットの認知度や利用回数、満足度などを社員にアンケートを展開することで、客観的な数値で現状把握を行い、その結果をもとにCSが改善施策を提案していく。

さらに、情報システム部としては、Microsoft Teamsの全社展開を2020年3月に控えている。すでに、ちゃぼさんだけでなく、情報システム部や営業統括部のAIチャットボットもTeamsと連携しているため、Teams上で質問をすることも可能だ。今後は、全社展開に向けて準備を進めていきたいと井出氏は話す。

Microsoft TeamsでのQA画像(イメージ)
Microsoft TeamsでのQA画像(イメージ)

「「ちゃぼさん」は確実に自分たちにも社員のためにもなる、とても優秀な仲間です。問い合わせ対応業務が発生している他の部署でも導入や定着が進むよう、「ちゃぼさん」をきっかけにして、まずはAIチャットボットに聞く習慣が社内に根付く姿を目指していきたいなと思います。」(和知氏)

今後も、たくさんの愛情をもらってさらに賢くなっていく、ちゃぼさんの成長に目が離せない。

ジェナから三菱UFJリース様にメッセージ
東田 悠希株式会社ジェナ AIソリューション事業部
カスタマーサクセスチーム マネージャー
東田 悠希

この度は、事例作成にご協力いただきまして、ありがとうございました。
また、有り難いお言葉を頂戴し、貴社を担当させて頂けていることを私としても非常に嬉しく感じております。
「ちゃぼさん」「AIsys」「エイトくん」が、なくてはならない存在として貴社の社員の皆さまにご実感いただけるように、弊社としても引き続きサポートさせて頂きたいと考えております。
今後とも、よろしくお願い致します。

三菱UFJリース株式会社
三菱UFJリース株式会社

三菱UFJリース株式会社 様

設立
1971年4月12日
事業内容
各種物件のリース、各種物件の割賦販売、各種ファイナンス業務、国際業務
従業員数
連結3,230名、単体1,366名(2019年9月末現在)